低金利政策の影響

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■日銀の低金利政策の影響

 

 金融機関への影響

      今日の日本の金融機関のトピックスといえば統合ではないだろうか。ふくおかFGと十八銀行近畿大阪銀行関西アーバン銀行みなと銀行等、地方の金融機関において統合の波が押し寄せている。

 この経営統合の波の発生原因はなんだろうか。憶測だが、人口減少に伴って地方の中小零細企業の後継者がへり、地域金融機関の顧客が減少してる状況に加えて、昨今のマイナス金利政策に引っ張られる形で、事業性融資の金利、住宅ローンの金利等が引き下げられ、少ない顧客を取り合うために金利競争が激化。結果として低金利かつ絶対数の減少によって地方金融機関は疲弊し、競争の緩和および体力の確保のために統合を進める地方金融機関が増加しているのではないか。要約すると下記のように表現できる。

 

 地方での顧客減少  +  日銀の低金利政策  ⇨   地方での金融機関の統合

 

 また、伝統的な金融機関の稼ぎ方といえば金利、手数料収入であろう。金利も手数料も1.顧客の絶対数を確保するか、2.金利および手数料を高くとることで収益が確保できる。

 この原則をふまえた上で、昨今の事情を鑑みると1.顧客の絶対数の確保は自然に増減する人口に左右されるわけで、金融機関がこれをコントロールしようとすると、先に触れたような経営統合に行き着くのではなかろうか。経営統合によって顧客数を確保することは、独禁法に抵触する惧れがあり、おいそれとたやすくできる問題解決手段ではない。加えてその地域において圧倒的な金融機関になれば適切な金利競争が行われず、その地域で会社を経営すること、および住宅を購入することに対してある種の障壁が設けられることになるのではないか。

 

 影響① 地方の金融機関の経営統合とそれに伴う地方における金融市場の競争停滞

 

 1.顧客の絶対数の確保に対する答えが経営統合とするならば、2.金利および手数料を高くとることへの回答はなんでろうか。競合の存在する地域において、金融機関が最も注力する事業性融資で独りよがりに金利をあげるわけにはいかない。またリテールにおける複合取引の要である住宅ローンも高金利では競争力がない。ましてや都市銀行がインターネットでの申し込みチャネルを取り揃えている現状では金利を引き下げなければ顧客の囲い込みは至難の技であろう。

 そこで注目されたのが高金利の取れる個人融資(カードローン)だと私は考える。平均レートが1%前後しかない事業性融資、住宅ローンの代わりに、平均レートが10%超確保できる消費性融資は各金融機関にとって非常に魅力的に映ったことであろう。結果として昨今のカードローン問題が引き起こされたわけであるが、カードローン問題について当ブログでは深掘りしない。

 個人的にはカードローン問題は利用者の側に大きな問題があり、金融機関側の問題では軽微なものだと考えている。(なぜなら金融機関は審査を行い適正と判断される融資を行っていますし、自己破産や多重債務者は、金融機関のような「組織」が産むものでなく、「個」自らの意思および判断によって生まれるものだからです。)

 

 影響② 消費制融資に金融機関が注力し始め、結果として多重債務者や自己破産者が増加。

 

 カードローン問題について私見を述べると、この問題はある種の新しい価値をもたらす可能性を秘めていると個人的には考えています。例えばファイナンシャルプランといえば世間一般では資産形成、プラスの資産をいかに増やすかに焦点が当てられますが、マイナスの資産管理つまり「健康で文化的な最低限度の生活を営む上で、必要になるマイナス資産をどの範囲でとどめて運用するのが適正か」に着目したファイナンシャルプランナーはいないからです。住宅も車も子供の教育資金も賄おうとすると、日本の平均年収の400万円では到底まかないきれないにも関わらず、車の購入費用は年収の半分がいいなどというあいまいな価値基準しか流布していないからです。働かなくても金をうむ仕組みを作るだとか貯金1億円貯めるだとか無知蒙昧な狂言を吐くビジネス書籍は多いですが、現実に生きる我々はマイナスの資産とうまく関係を築かなければならないと思います。それらの水先案内人になるような士があれば、カードローン問題に代表されるような多重債務や自己破産等の件数を抑えられるのではないでしょうか。

 

 さて、話を戻す。2.金利および手数料を高くとることに着目していち早く行動した金融機関がある。スルガ銀行である。スルガ銀行の経営方針は2013年3期時点の投資家に対する説明で使用した以下のスライドが特徴的なので引用する。

  

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(引用元:スルガ銀行2013年3期インベスターズ・プレゼンテーション

https://www.surugabank.co.jp/apa/2013mar/SurugaBank1303_J.pdf

 上記のスライドに見て取れるように、コア事業に個人取引を据え、トップの号令のもと個人取引を重視する金融機関として独自の経営を行なっている。森前金融庁長官がその経営モデルに賛辞を送っていたのも記憶に新しいところだ。さてスルガ銀行といえばスマートデイズが運営する「かぼちゃの馬車」に関連する不正融資問題が取り沙汰されている。

 この不正融資問題とは本来の行内ルールでは融資基準に満たない顧客に対して、行員が意識した上で(当人たちは認識していないとしているが)融資を行なっていた問題である。

 かぼちゃの馬車に関連する問題は大きく分けると三点ある。

  ・銀行が点数稼ぎを優先するあまり行内ルールを無視して返済不能な額の融資を行っていた点。

  ・ビジネスモデルが継続性に欠け、経営破綻し上記融資を受けた者が多額の借金を背負いこむことになった点。

  ・融資を受け取るために改竄した書類を提出していた点。

 この問題は影響②の延長線上にある。経営破綻さえしていなければ顧客も行員もスマートデイズ三者win-winの素晴らしいビジネスであった。このビジネスモデルについては、後日改めて記事を書いてみようと思う。

 

まとめ

 日銀の低金利政策は、1.地方の金融機関の経営統合とそれに伴う地方における金融市場の競争停滞、2.消費制融資に金融機関が注力し始め、結果として多重債務者や自己破産者が増加をもたらした。それぞれの代表的な事例としてふくおかFGや多少ズレてはいるがかぼちゃの馬車問題等がある。

 

追記

 さて、2018年8月7日時点で、市場はFRB長期金利の上昇(と関係あるかわかるわからないが)と日銀も緩やかな長期金利の上昇を体験している。国内市場の影響を考慮して物価の安定目標という牽制をしているが、これは綻びので始めた超低金利の調整なのではないだろうか。FRBの足並みを揃えるというしょうもない影響を受けているかもしれないが。